ご覧頂き、ありがとうございます。
以前、マグロジギングにおけるレバードラグリールの優位性に関してはこちらの記事で、
ブルーヘブン全般の使用感についてはこちらの記事でレビューさせて頂きました。
今回は、私がマグロジギングで使用しているブルーヘブンのセッティングについてです。
マグロジギングで使用しているブルーヘブンのモデル
100/80/50の3クラス・ギア比も考慮すると5モデルを使用しています。
そのうち使用頻度の高い3モデルを紹介させて頂きます。
尚、PEは全てヨツアミ社のオッズポートWXP1をIK500糸巻き工場で巻いています。
話がそれてしまいますが、この釣りにハマったならIK500は絶対購入したほうがいいと思います。陸にいる時はひたすら糸巻きすることになるので、すぐ元とれます。
NOLIMITS L100Lo/R-MS(21)
PE6号を入れて50kgオーバー狙いで使用しています。
カタログスペックはオッズポート6号が450m巻けます。自分は下巻き無しで400m入れてみましたが、まだまだ入りそうです。次回巻き替えの際は下巻きを入れてみようと思います。
純正でカーボンドラグワッシャー・ギア比がPwより更に低い(Lo)マグロジギング専用モデルです。
ギア比が低いので、巻きは楽ですが、1巻あたりのライン回収量が少ない(77cm)なので、少し状況を選びます。潮が緩かったり、ラインが縦に入る状況では、自分のワンピッチのシャクリに合いません。ある程度ラインに角度が付けば問題ありません。同じスプール・スペックでPw(4.9:1)を出して欲しいです。オーシャンマークさんお願い致します!!
L80Pw/R-LB CF LIMITED (21)
PE4号を入れて、下巻き200m+400m巻いてちょうどなので、カタログスペック通りに糸が入ります。
~50kgのマグロ類がメインターゲットとなるフィールドで使用します。良く釣行するエリアが上記に当たるので、使用頻度の一番高いリールです。パワー・重量・糸巻き量のバランスも良く、マグロジギングの中核となるモデルです。初めてマグロジギング用のリールを購入する方の1台目にお勧め致します。純正でカーボンドラグのスプールがついているので、箱出しでマグロジギングに使用可能です。
L50Pw/R-LB CF LIMITED (22)
付属のエコノマイザーを使用した状態で、PE3号400mちょうど巻けますので、こちらもカタログスペック通りですね。
こちらは~20kgのマグロがメインのフィールドで使用したり、それ以上のサイズが喰う可能性のあるシチュエーションで繊細なルアー操作が求められる際に使用します。と、いいつつ、大体のケースでは4号タックルで充分喰うので、トンジギ以外ではあまり使わないリールです。マグロジギングはサイズが選べない釣りなので、可能な限りそのエリアの上限サイズを見据えたタックルで勝負したいところです。こちらも標準でカーボンドラグスプールが付属です。
使用しているブルーヘブンのマトリクス
BHLモデル | クラス | 自重 | ギヤ比 | 巻上cm | 最大 ドラグ値 | ライン | ドラグ 初期設定 | メイン ターゲット |
L100Lo/R-MS | 100 | 715g | 4.0:1 | 70cm | 14kg | 6号400m | 7kg | クロマグロ |
L80Hi/R | 80 | 620g | 5.9:1 | 113cm | 14kg | 4号400m +下巻200m | 5kg | キハダ |
L80Pw/R | 80 | 620g | 4.9:1 | 95cm | 14kg | 4号400m +下巻200m | 5kg | キハダ |
L50Hi/R | 50 | 515g | 6.3:1 | 110cm | 9kg | 3号400m +エコノマイザー | 5kg | ビンチョウ |
L50Pw/R | 50 | 515g | 5.3:1 | 93cm | 9kg | 3号400m +エコノマイザー | 5kg | ビンチョウ |
使用しているモデルをチャートにすると以上の通りです。
ローギヤとハイギヤの使い分け
自分の中で、マグロジギングはローギヤ(パワーギヤ)を中心に使用して、ハイギヤは補完的に使用する形で落ち着いています。
これは、ローギアの方がファイトが楽というのもありますが、マグロ類が好むアクションを、ローギヤの方が出しやすい、と考えている為です。言葉にすると難しいのですが…個人的にマグロ類には浮遊感のあるジグの動きが効果的と考えていて、シャクリとシャクリの間に一瞬の浮遊感を出しやすいのが、自分にとっては1巻き90~100cmくらいのリールである状況が多いので、自ずとローギヤ(ブルーヘブンですとPw)の使用頻度が上がります。ただし、これは個人の使用感によるものなので注意してください。ハイギヤの方が釣れる間合いを出しやすい方もいると思いますし、私もローギヤだとシャクリが合わない状況もあります。
難しい理屈は抜きにして、最初の1台は、ファイトタイムが短縮できるという観点から、ローギヤをお勧め致します。特に乗合船では、マグロとのファイトは時間との戦いです。自分がファイトしている間は同行者は釣りができないので、譲り合いの精神からもなるべくファイトタイムの短縮化を目指してください。私が小さいヤツなだけかもしれませんが、何度経験しても、赤の他人がファイトしている間は「早く上げろや~」って心の底では思っています。友人のファイト中は、「魚がんばれ~もっと引け~」って思いますけどネ。欲深いものです。。。
ドラグワッシャーの素材
ブルーヘブンをマグロジギングに使用する場合、カーボンドラグワッシャーを使用することを推奨します。
ドラグワッシャーというのはドラグを構成する主要部品のひとつで、ブルーヘブンの場合、スプールユニットに組み込まれています。黒色のプラスチックカバーを外すとドラグディスク(ややこしいですがこれはワッシャーとは別の部品)が出てきます。ドラグディスクを外すとドラグワッシャーです。
このドラグワッシャーの素材が、ドラグの特性に大きな影響を及ぼします。標準のブルーヘブン含め、多くのレバードラグリールはドラグワッシャーの素材がコルクです。コルク素材のワッシャーはスローピッチジャークに用いられるリールとしては定番で、ストレートポンピングをした際に滑りにくい等のメリットがあります。ドラグとしては「粘る」感覚になります。しかしながらハイスピードでダッシュを繰り返すマグロ相手にはこの粘る感覚が仇となり、グリス切れを起こしてスタックしたり、魚のスピードにドラグがついていかずラインブレイクしたり等のトラブルが起きる可能性が有ります。
これを防止するために存在するのが、カーボン素材のドラグワッシャーです。利用するとドラグの滑りが良くなるので、コルクと比較してより「作動する」感覚のドラグになります。コルクが負荷を溜め込んで、グ~っと粘った後にズズッと作動するイメージに対して、カーボンは設定値になったらスル~っと作動して、設定値を下回るとスっと止まるイメージです。日本語ムズカシイですが、ドラグ掛けた状態でラインを手で引っ張るだけでも違いはよくわかります。
マグロ相手の場合、カーボンドラグの作動曲線がより向いている、ということになります。尚、一部ネット記事において、ブルーヘブンはドラグの問題がとやかく言われていますが、カーボンドラグワッシャを使用したマグロ釣りで、私が使用している限りラインブレイクやドラグのトラブルは2023年1月現在一度も発生していません。ご参考まで。
ブルーヘブンにおいて、カーボンドラグワッシャを使用するにはいくつか方法が有ります。
カーボンドラグワッシャ搭載モデルを購入する
各クラスにカーボンドラグワッシャ搭載モデルが設定されています。
NOLIMITS L100Lo/R-MS(21)
NOLIMITS L80Lo/R-MS(22)
L80Pw/R-LB CF LIMITED (21)
L50Pw/R-LB CF LIMITED (22)
等です。もしこれからマグロ用にブルーヘブンを買う予定の方であれば、搭載のスプール仕様を調べて、カーボンドラグスプール採用モデルを購入することをお勧めします。これら搭載モデルはステンレスディスク仕様なので、最大ドラグ力は標準と同じです。
カーボンドラグワッシャ搭載スプールを購入する
既にブルーヘブンを持っていて、カーボンドラグを使用したい方・予備スプールが欲しい方には、単品販売されているカーボンドラグワッシャ搭載スプールがあります。
SPARE SPOOL L100-D/CarbonGF(21) M-Spec
SPARE SPOOL OGM L80D-CarbonGF/20
SPARE SPOOL OGM L50D-CarbonGF/20
等です。これらの単品スプールもステンレスディスク仕様なので、最大ドラグ力は標準と同じです。
カーボンドラグワッシャ単品を購入する
ブルーヘブンはサービスパーツとしてドラグワッシャーが単品で売られています。
これを購入して自身で交換すれば、多くのモデルに付属するコルクワッシャのスプールをカーボン化する事ができます。
ワッシャひとつあたり数千円なので、最も安価でカーボン化ができますが、一点注意が必要です。
上でも少し書きましたが、ドラグワッシャー以外に、ドラグディスクという部品が、ドラグの機構に含まれています。この部品の素材が、標準でカーボンドラグを搭載しているモデルはステンレスなのに対し、コルク製ワッシャーのスプールではアルミ製です。カーボンドラグワッシャー+アルミドラグディスクの組み合わせにすると、最大ドラグ値が落ちます。具体的に計測はしていませんが、BHL80で2-3kg程落ちるようです。自分の知る限りステンレス製ドラグディスクの単品販売はされていないので、ワッシャ単品購入で改造の場合最大ドラグ値が落ちることを理解の上使用する必要がありますね。ドラグディスクの素材の見分け方ですが、アルミ製のものは黒系(ガンメタ系)の表面処理がされていて、ワッシャー接触面に溝が切ってあります。ステンレス製のものは銀系(ステンレス地金)の見た目で、ワッシャー接触面にプラスビスが見えます。
ドラグワッシャーの交換自体は、マイナスドライバやピンセットなどの一般工具があればすぐに可能です。
ラインシステムについて
PEラインは全て、ヨツアミ社のオッズポートWXP1を使用しています。結束力・直線強度ともにno.1のPEラインかと。
各リール下巻きを除いて400m巻いて、少しでも使ったラインは最低10mカット(ダメージ次第で、20~30m程カットすることも)して使用していきます。30kg以上の魚を2-3匹同じラインで釣り上げたら、400mすべて交換するように心がけています。
リーダーはDUEL社のフロロリーダーを使用しています。PEライン程のこだわりはありませんが、今のところノートラブルでリーダーブレイクもありませんので、今後も継続して使用していきます。リーダーとPEの結束はFGノット、釣行毎に結び直しです。リーダーの長さは3ヒロ程度です。5ヒロ等長めがよいという記事もありますが、リーダーが長いと陸上での扱いが悪くすぐ発狂するので、私はこの長さに落ち着きました。最短2ヒロくらいあれば特に問題ありません。
ここまで心がけているからか、今のところライン関係のトラブルはありません。
ジギングに限らず、マグロ釣りは兎に角ラインにお金が掛かります。安いネットショップを探してボビンで購入、自分で巻いた方が結果的に安上がりになると思います。IK500糸巻き工場で巻いていますが、すぐに機材の元取れてしまいます。
初期ドラグ設定について
私は以下の通り設定しています。
- BHL100(PE6号) 6-7kg
- BHL80(PE4号)5-6kg
- BHL50(PE3号)5kg
初期設定は、フッキングが確実に決まる、最低限のドラグ力 をイメージしています。
4kg以下にするとフッキングミスが発生するケースがあったので、3号でも5kg掛ける様にしています。逆にあまり初期設定を高くすると、魚がまだ安定していないファーストランで口切れが発生したり、適切なファイトポジションを取る前にバランスを崩したりということがあるので、あまり高く設定はしません。ファーストランは自由に走ってもらい、止まるまでは基本的にドラグをいじりません。
ファーストランが終わったら、ライン放出量や魚の走り方を見つつ、ドラグを締めていきます。締める際は焦らず、基本的にワンクリックずつ締めていきます。BHL100/80であればドラグレバーワンクリックで1kg程ドラグ力が変化します。よっぽど大きな魚でなければ、1-2クリック締めるだけでランディングまで行けます。マグロ類は無理に止めない方がよいと思います。
組み合わせるロッド
ロッドは、リールサイズに関係無く、潮や水深・風の強さ等を考慮して、シーフロアコントロールの2本を使い分けています。
RAPIER RP-603 3 FORCE
RAPIER RP-603 4 FORCE
3フォースをメインに、潮がキツイ、風が強い、水深が深い等々、パワー不足を感じたら4フォースに上げる運用です。
詳しくは、別の記事で書かせて頂きます。
如何でしたでしょうか。長文となってしまいましたが、皆様のリール選定の一考となれば幸いです。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。