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チニング界の定番ロッド、シルベラードが6年ぶりにフルモデルチェンジとなりました。
今年チニングロッドの購入検討している方は、かなり気になるロッドだと思います。早速購入してボートチニングで使用してみました。
一言でこのロッドの特色を挙げると、
とにかく軽量感があり感度が優れている
に尽きると思います。それでは細かく見ていきましょう。
スペック
今回導入したのは2機種です。
GSILC-762ML
レングス:7ft 6in
ピース数:2(センターカット・インロー継)
仕舞寸法:1,173mm
自重:94g
推奨ルアーウェイト:3-18g
推奨ライン太さ:PE0.6-1号
アクション:非公開(体感はレギュラーファースト~ファースト)
ガイド素材:チタントルザイト(トップのみチタンSIC)
ブランクス素材:カーボン(ナノアロイ技術・トレカ®T1100G採用ブランク)
税抜価格:34,500
GSILC-792M-HS
レングス:7ft 9in
ピース数:2(センターカット・インロー継)
仕舞寸法:1,210mm
自重:99g
推奨ルアーウェイト:3-18g
推奨ライン太さ:PE0.4-1号
アクション:非公開(体感はファースト~EXファースト)
ガイド素材:チタントルザイト(トップのみチタンSIC)
ブランクス素材:カーボン(ナノアロイ技術・トレカ®T1100G採用ブランク)
税抜価格:35,000
両機種の一番大きな違いは、ソリッドティップが搭載されているか否かです。
重量は
GSILC-762ML 95g(カタログスペック94g)
GSILC-792M-HS 102g (カタログスペック99g)
8フィートに迫る、しかもソリッドティップのモデルが102gというのは信じられない軽さですね。
外観・パーツ構成
グリップは黒色EVAのセパレートです。リールシートはECS、個人的にはACSと並んで好みのリールシートです。
ガイドはRVガイドとKガイドの組み合わせです。飾り巻き等は一切なく、しかも最低限の長さでしか巻いていません。
このあたりはMade in Japanの職人技が光りますね。
トップガイドのスレッド巻きがありません。軽量化への並々ならぬ努力を感じます。
ちなみに、ですがトップガイドのスレッドにはガイドを保持する効果は全くありません。単にブランクスとガイドの段差を埋めるだけのものですので、無くてもOKです。
シルベラードではコーティングのみで段差を埋めていますね。
使用感
GSILC-762MLは10gフリーリグメイン
GSILC-792M-HSは14gフリーリグメインで使用してみました。
762MLはやはりチニングロッドの王道という使い心地で、10gフリーリグをピンスポットに入れる能力に優れていますし、キャストフィールも非常に良好です。792M-HSはソリッドティップの恩恵によりバイトが深いので、アワセのタイミングを取りやすいです。
しかしこの2本、いい意味で、使用感にさほど差がありません。
762MLはティップパワーの設定が絶妙で、スタックを躱すハリを持たせつつもチューブラーでありながらバイトがあった際はきちんと入り込んでアワセの間を作ってくれます。
792M-HSは繊細なソリッドティップ+ハードなバットという組み合わせですが、ソリッド>>チューブラーのつなぎ目がシームレスな感覚で繋げられており、バットパワーの出方も自然です。
どちらもとにかく際立つのがシルベラードのお家芸とも言える高感度特性で、前モデルから比べても感度はとても良くなっています。
慣れるとボトムの感覚だけでなく、その材質(ここは石に牡蠣殻付いてるな~等々)までわかってきます。
感度がいいロッドが好きな人はたまらないでしょう。
他のロッドと比べると、
ブレニアスエクスチューンはガキガキ
17シルベラードはパキパキ
23シルベラードはカッキカキ
という感じでしょうか。わかりにくいですね。
個人的な感覚ですが、ブレニアスエクスチューン76MLとシルベラード762MLはよく似ていると思います。ブレニアスはシマノロッドらしいパワーと張り・剛性感があり、東京湾のボートチニングを突き詰めてやるには少し硬すぎるかなと思いますが、28gシンカーを使用したマゴチゲームや、バイブレーションやミノーを使用したシーバスゲームまでもこなせる懐の深さがあります。
一方シルベラードはチニングゲームで多用するルアーレンジに特化し、その使い心地を深化させたような印象を受けます。どちらが優れている劣っているという話ではなく、メーカーや開発者の方のスタンスが見て取れて面白いですね。
初めて使用したこの日はいい天気だったものの、まだ水の中は意外と季節が進行しておらず、魚が薄く厳しい感じでしたが、23シルベラードの好感度特性を生かして、少ないバイトを確実に拾っていけました。
これから水温が上がるに従ってどんどんシャローに魚が刺してくるでしょう。
2機種の使い分け
前述の通りいい意味で使用感に大きな差がないので、基本的には好みで選んで宜しいかと思います。
いつもアワセのタイミングを取るのに苦労している方>>792M-HS
軽快なキャストフィールを求める方>>762ML
というところでしょうか。
ソリッドかチューブラーかでアワセのタイミングが少し異なるので、普段チューブラーでアワセが決まらない方はソリッドを試してみるのも手だと思います。
使用するポイント的には、
河口域等のフラットがメイン>>792M-HS
港湾部でストラクチャー絡みの釣りをしたい>>762ML
が王道の使い分けかと。
アクション的には若干792M-HSの方がクセがあるので、チニングロッド最初の1本 という方は762MLの方をオススメします。
しかし両機種とも非常に高いレベルで纏まっており、オリムピックさんの技術の高さを感じますし、長年チニング専用ロッドを出し続けている事によるデータの蓄積が、この使いやすさにつながっていると思います。3万円クラスのロッドとしては破壊的な性能を誇っているので、是非導入検討してみてください。